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『美味しい料理の哲学』からアシェットデセールについて考える

今、廣瀬純先生の『美味しい料理の哲学』という本を読んでいる。 美味しい料理の哲学 (シリーズ・道徳の系譜) 作者: 廣瀬純 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2005/10/13 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 83回 この商品を含むブログ (21件) を見…

『沈黙』の誤読と的外れなコメントに対しての批判

マーティン・スコセッシ監督『沈黙』を観た。と同時に、原作の遠藤周作『沈黙』を読み返した。 ただただすごかった。めちゃくちゃよかった。映画では、小説のような書簡形式の一人称での内面描写ができない。したがって心情描写に様々な苦労や工夫があったに…

不完全で不器用な人たちについて

先日、グザヴィエ・ドラン監督の『たかが世界の終わり』を観た。 この映画では「こうあるべき」という理想像からはみ出してしまう人間たちが描かれている。「母なら明るく家庭を仕切らなければならない」だとか「兄なら踏みとどまっている妹の背を押してあげ…

デセールはクライマックスでなければならない

もう我慢できないから書かせてくれ。デセールはクライマックスであるべきだ。食後のおまけではない。輝かしいフィナーレ、物語の最高潮であるべきだ。 わたしは常日頃から、フレンチのコースと文学作品は同じようなもんだと思っている。 まず、席につくと何…

高い本を買えるようになった話

欲しかったけれど、値段が高いという理由で購入を諦めてきた本がたくさんある。 少ないお小遣いの中で、せいぜい文庫本を数冊買うので精一杯だった中高生のわたしにとっては、2万円の『幻想文学大事典』なんかとてもとても買えなかった。そうして諦めてきた…

レストランに行った話

先日、クーカーニョというレストランに行った。渋谷のセルリアンタワーの最上階にあるフレンチレストランだ。永妻シェフのプロヴァンス料理がいただける。かつてはミシュランガイドに一つ星がついたこともあるらしい。ドレスコードがあるし、良いお店なんだ…

ものを書くことについて

なんの躊躇いもなく「ものを書くことが好きだ」と言える人がすごく羨ましい。 というのも、わたしにとってものを書くという行為は常に苦痛を孕んでいるから。 わたしにとってものを書くということはただの自傷行為でしかない。 己の心奥を己の手で深く抉るこ…

香水の寓話

硝子細工の香水壜をなんとなく手に取ってみた。冷たい蓋をそっと外してみると、華奢な少女がわたしの前に現れた。彼女の絹のように滑らかな亜麻色の美しい髪が揺れると、仄かに牡丹の花の香りが立つ。磁器を思わせるような白くなめらかな肌は、わたしが手を…

夢の話

うだるような暑さと倦怠に疲弊しきった体躯遮光幕から射し込むは一筋の月明かり水を張った静けさと規則的な呼吸の音己の頬に触れる優しい手指誰のものでもない過去への意識の介入は可能か鍵盤の旋律に想いを馳せる芳香な紫煙がゆるりと揺れる一角獣の誕生に…

デザートの極点を見た話

こんなにもスイーツに感動したのは生まれて初めてかもしれない。港区に期間限定で出しているお店でデセールのコースを食べてきた。デザートが6皿出てくるという女子垂涎モノのコース。 わたしは今までいろいろなパティスリーでケーキを食べてきたし、それな…

紅をさすということ

わたしの好きな日本語表現の一つに「紅をさす」という言い回しがある。特に、頬紅や口紅をつけること。別に「つける」でも「塗る」でも構わないけれど、「紅をさす」というこの微妙で繊細なニュアンスが好きで仕方がない。この言い回しを聞くと思い浮かべる…

劇団KAKUYO『ひとよ』を観て

「今度芝居を見に行かない?下北沢で演るんだけど、君近いだろう?」こう、サークルの先輩から連絡が来た。現代演劇を好む先輩からのお誘いはいつでも魅力的だ。以前、先輩に連れられて観に行った現代演劇は非常に前衛的で、素人目から見ると「良い」か「悪…

六本木歌舞伎『地球投五郎宇宙荒事』を観て

タイトルを見てもらえばお分かりになるかと思うけれど、もう全然文学に関係がない。無理やり関係があると言ってしまえばまあ関係あるけどやっぱり関係ない。でも、今日は歌舞伎の話がしたい。歌舞伎だ。これまた渋いけれど、わたしはめちゃくちゃ歌舞伎が好…